2019年10月16日
ええっ、そうだったの!意外な入浴の新事実① ~毎日の入浴で健康長寿~

■目次━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
ええっ、そうだったの!意外な入浴の新事実① ~毎日の入浴で健康長寿~
①入浴に関する質問
問題1:内容が正しいか間違っているか、○・×でお答えください
1-1 毎日入浴する高齢者は介護リスクが3割減少
1-2 入浴前後にコップ1杯の水を飲むと健康に良い
1-3 浴槽に入る前にかけ湯をすると健康に良い
1-4 風邪気味のときは入浴で免疫力をアップすると良い
1-5 半身浴は全身浴より健康に良い入浴法である
1-6 ぬるめのお湯で長く浸かるほど温まって健康に良い
問題2:次の4つで最も健康に良いお風呂の入り方を選んでください
「手抜き風呂」・・・・ぬるめのお湯に短時間浸かる入浴
「のんびり長風呂」・・ぬるめのお湯に長時間浸かる入浴
「江戸っ子風呂」・・・熱めのお湯に短時間浸かる入浴
「熱中症風呂」・・・・熱めのお湯に長時間浸かる入浴
②回答及び解説
関連情報
・入浴と健康に関する情報(リンク集)
・健康に関するテレビ番組の情報(リンク集)
■ ええっ、そうだったの!意外な入浴の新事実①
~毎日の入浴で健康長寿~━━━━━━━━
①入浴に関する質問
問題は全部で7問、皆様は全問正解できるでしょうか?
問題1:内容が正しいか間違っているか、○・×でお答えください
1-1 毎日入浴する高齢者は介護リスクが3割減少
1-2 入浴前後にコップ1杯の水を飲むと健康に良い
1-3 浴槽に入る前にかけ湯をすると健康に良い
1-4 風邪気味のときは入浴で免疫力をアップすると良い
1-5 半身浴は全身浴より健康に良い入浴法である
1-6 ぬるめのお湯で長く浸かるほど温まって健康に良い
問題2:次の4つで最も健康に良いお風呂の入り方を選んでください
「手抜き風呂」・・・・ぬるめのお湯に短時間浸かる入浴
「のんびり長風呂」・・ぬるめのお湯に長時間浸かる入浴
「江戸っ子風呂」・・・熱めのお湯に短時間浸かる入浴
「熱中症風呂」・・・・熱めのお湯に長時間浸かる入浴
ちなみに僕は、この健康情報を書く前の知識で答えると正解は2問のみでした。
皆様お答えいただいた後、以下の回答及び解説にお進みください。
②回答及び解説
問題1‐1:毎日入浴する高齢者は介護リスクが3割減少
正解は、「〇」。
千葉大学の八木明男氏らの研究グループより、夏の浴槽入浴頻度が週7回以上
の場合、週0〜2回と比較して28%の要介護リスクの減少がみられ、同様に
冬では29%のリスク減少がみられたとの研究結果が発表されています。
入浴で要介護が減少する要因として、研究論文では、以下の健康への効果など
を挙げています。
【入浴で要介護が減少する要因】
・入浴によるリラックス効果が抑うつや認知機能低下を予防
・体温上昇に伴うヒートショックプロテインの産生による抗炎症作用や細胞保
護効効果
入浴回数と要介護リスクの関係に関する情報はこちら:
https://medical.nikkeibp.co.jp/leaf/mem/pub/hotnews/int/201811/558696.html
問題1‐2:入浴前後にコップ1杯の水を飲むと健康に良い
正解は、「〇」。
お風呂に入ると温まって汗をかきます。すると体内の水分が減少し、血液の水
分も減少して粘度が高まります。いわゆる「血液ドロドロ」の状態です。
汗をかいても必要な水分を失わないよう、お風呂に入る前に1杯、出た後に1
杯、水を飲むことが健康にとって大切です。
問題1‐3:浴槽に入る前にかけ湯をすると健康に良い
正解は、「〇」。
日本人ならばほとんどの方が「かけ湯」をしてから浴槽につかっていると思い
ますが、なぜ「かけ湯」をするのでしょうか。かけ湯には、2つの意味がある
と考えられます。
1つ目が、血圧の急上昇を抑えるという目的です。内臓から遠い部位、足先か
ら順番に「かけ湯」をすることで、体がお風呂の温度や刺激に対応できるよう
になり、血圧の急上昇を抑制できます。
2つ目が、体の汚れを落としてから入浴するというマナーです。日本人の入浴
は、お湯を入れたお風呂に順番に入ります。次の人が入るときに新しいお湯を
張ることは、ほとんどありません。ですので、次に入る人のことを考えて、湯
船のお湯を汚さないようにかけ湯で体の汚れを落とします。
問題1‐4:風邪気味のときは入浴で免疫力をアップすると良い
正解は、「〇」。
38℃以下の熱で体調がさほど悪化していなければ、40℃前後のお風呂で回
復が早まる効果があります。
体内温度が上がることで免疫力が上がり、蒸気が鼻や喉の粘膜についたウイル
スを弱らせ、回復を早めるだけでなく症状の緩和も期待できます。
問題1‐5:半身浴は全身浴より健康に良い入浴法である
正解は、「×」。
半身浴は、冷えを感じる人やむくみ予防や解消に良く、また、ダイエットや美
肌などにも良いとされ、特に女性の間で広く行われてきました。
しかし、ここ最近は半身浴が、全身浴より劣ると評価されています。
半身浴の効果として主に「ダイエット」、「デトックス」、「リラックス」が
挙げられてきました。
しかし、100分間の半身浴で消費されるカロリーは、わずか16キロカロリ
ー。
体重や歩く速度にもよりますが、1時間のウオーキングの消費カロリーは16
0~200キロカロリーです。
半身浴を行うことによるダイエット効果は、ほとんど期待できません。
老廃物の排出ルートは、便が75%、尿が20%、残りの5%が汗や髪の毛な
どです。
汗から排出される老廃物は、わずかな量であり半身浴をして汗をかいてもその
ほとんどはただの水分で、老廃物は少ししか排出されていません。
半身浴で汗をたくさんかいても、デトックス効果はほとんど期待できません。
リラックスに関しても、全身浴により浮力を感じることで脳にα波が出てリラ
ックスしやすくなることが分かり、浮力の少ない半身浴は、全身浴に劣ると言
われています。
全身欲を行う前に半身浴を行うことで、かけ湯と同様にお風呂の温度や刺激に
体を慣らすことは可能であると考えられており、半身浴は全身浴の前に短時間
のみ行うのが良いでしょう。
以上のように過去にブームになった半身浴は、現在では、体を慣らす以外には
意味が無いと考えられ、全身入浴の方がより健康的との考え方が主流になって
います。
但し、心臓や呼吸器などの疾患がある方については、全身浴は胸に水圧がかか
って病状に悪影響を及ぼす可能性があり、半身浴が推奨されることがあります。
このような方々は、適切な入浴方法について主治医に相談頂くと良いでしょう。
問題1‐6:ぬるめのお湯で長く浸かるほど温まって健康に良い
正解は、「×」。
長時間の入浴により、温められた血液が全身をめぐる回数が増えるほど、体は
じっくりと温まって、血のめぐりがよくなります。
しかし、同時に以下のリスクも大きくなっていきます。
長風呂のリスク
・肌のうるおい成分が流れ出すことで、乾燥肌の原因になる。
・汗を大量にかくことで、脱水症状を起こしやすくなる。
・汗を大量にかくことで、血液ドロドロによる心筋梗塞など病気のリスクを高
める可能性がある。
長すぎるお風呂は、温浴効果が高まりますが、上記のリスクも高まります。
お風呂に浸かる時間は、長ければ長いほど良いというわけではありません。
適切な入浴時間を心がけることが大切です。
問題2:最も健康に良いお風呂の入り方を選んでください。
「手抜き風呂」・・・・ぬるめのお湯に短時間浸かる入浴
「のんびり長風呂」・・ぬるめのお湯に長時間浸かる入浴
「江戸っ子風呂」・・・熱めのお湯に短時間浸かる入浴
「熱中症風呂」・・・・熱めのお湯に長時間浸かる入浴
正解は、「手抜き風呂」。
東京都市大学人間科学部の早坂信哉教授により、入浴方法が上記の4タイプに
分類され、「手抜き風呂」が一番健康に良いと報告されています。
(早坂信哉教授の分類では、「手抜き風呂」を「健康手抜き風呂」としていま
すが、質問の正解が分かってしまうため、「手抜き風呂」と紹介しました。以
降は、「健康手抜き風呂」と記載します。)
次回の健康情報では、タイプ別の入浴方法の長所や短所、入浴の三大効果を紹
介しながら、最も健康的と考えられる入浴方法について考察します
関連情報
・入浴と健康に関する情報(リンク集)
・健康に関するテレビ番組の情報(リンク集)
■入浴と健康に関する情報(リンク集)━━━━━━━━━━━━━━━━━
①「シャワーしか浴びない人」が損している理由(東洋経済ONLINE):
https://toyokeizai.net/articles/-/253150
②朝1分のシャワーが加齢臭に効く! お悩み別「正しい入浴法」(テレ東プ
ラスHP):
https://www.tv-tokyo.co.jp/plus/lifestyle/entry/2019/018561.html
■健康に関するテレビ番組の情報(リンク集)━━━━━━━━━━━━━━
月~木曜日 午後8:30~
「きょうの健康」NHKEテレ
https://www4.nhk.or.jp/kyonokenko/
木曜 午後7:58~
「主治医が見つかる診療所」テレビ東京
http://www.tv-tokyo.co.jp/shujii/
火曜日 午後8:00~
「名医とつながる!たけしの家庭の医学」朝日放送
http://asahi.co.jp/hospital/
毎週水曜日 午後7:30~
「ガッテン」NHK総合テレビ
http://www9.nhk.or.jp/gatten/
毎週日曜日 午前7:00~
「健康カプセル!ゲンキの時間」TBSテレビ
http://hicbc.com/tv/genki
【発行者】
第一薬品工業株式会社