2019年01月17日

お酒もほどほどに!

お酒もほどほどに!




お酒で記憶をなくすことは、武勇伝それとも・・・ 
              ~お酒の体への影響を再確認しよう~

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今回のテーマは、お酒の体への影響について。

お酒のアルコールが体にあたえる影響について確認すると共に、楽しく健康に
お酒を楽しむ為には、何が必要か考察します。

 ①お酒で「記憶がない」は死の一歩手前!生涯1度までとしよう!

 ②アルコールの血中濃度と体の状態

 ③アルコールの代謝の仕組みと日本人の代謝能力

 ④お酒の適量について。一般的な適量を飲んではダメな人とは?

 ⑤お酒が百薬の長と言われる理由
 
 ⑥怖いお酒の害と身を守る方法とは?

 ⑦お酒と健康のウソ・ホント

 関連情報
  ・お酒と健康に関する情報(リンク集)
  ・健康に関するテレビ番組の情報(リンク集)


■健康情報 お酒で記憶をなくすことは、武勇伝それとも・・・ 
               ~お酒の体への影響を再確認しよう~━━━

①お酒で「記憶がない」は死の一歩手前だった!生涯1度までとしよう!

特別な日などついつい飲み過ぎて、経験する「記憶がない」状態。

後日、笑い話として話したり、回数が多いことを武勇伝として話す人もいます。

私も若いころに飲み過ぎて、電話ボックスで一夜を明かし、なぜそこで寝てい
たか全く覚えていないことがありました。

このお酒で記憶がない状態、実は死の一歩手前。ヘタをすると笑い事では済まない状態です。

医学用語で「ブラックアウト」と言われ、お酒を飲み過ぎて血中のアルコール濃度が高まり、脳のほとんど全部が麻痺した状態です。

それ以上飲むと、脳の麻痺は生命活動を司る脳幹にまで及び、延髄にある呼吸中枢も麻痺して呼吸が止まり、死に至ります。

もし、ブラックアウト直前に強いお酒を一気飲みして胃に吸収前のアルコールが残っていたら・・・

更に血中のアルコール濃度が上昇して死んでいたかもしれないのです。

お酒好きな方からは、「生きてるから大丈夫」なんて声が聞こえそうですが、
「考えが甘い!」将来の事を考えると大丈夫ではありません。

死に至らなくてもブラックアウトは確実に脳にダメージを与え、繰り返すと脳が委縮して認知症の原因になることもあります。

記憶をなくす程に飲み過ぎた事をしっかり反省し、将来の健康(認知症予防)の為にもブラックアウトは、生涯一度きりとしましょう。

ブラックアウトに関する情報はこちら:
https://www.karada-aging.jp/practice/brain04/


②アルコールの血中濃度と体の状態

お酒でふらふらの人ほど「自分は酔っていない」と言いますが、血中アルコール濃度は確実に上昇。口と違って体は正直です。

ビールはアルコール5%ぐらいですが、そんな酔っぱらいの血中アルコール濃度は、どの程度なのでしょうか?

血中アルコール濃度と身体の状態
 ~0.04%(爽快)  :理性を司る大脳新皮質が少し麻痺。少し陽気になる。

 ~0.10%(ほろ酔い):大脳新皮質の麻痺が進む。陽気で楽しくなる。

 ~0.15%(酩酊初期):大脳新皮質の麻痺が更に進む。気が大きくなる。

 ~0.30%(酩酊)  :大脳周辺部や小脳も少し麻痺。千鳥足になる。

 ~0.40%(泥酔)  :延髄以外の脳が完全に麻痺。立てず、意識が混濁。
             記憶を司る海馬も麻痺してブラックアウトが発生。

 ~0.50%(昏睡)  :脳全体が完全に麻痺。呼吸中枢も麻痺し死に至る。

血中のアルコール濃度は以外と少ない。わずか0.5%で脳全体が麻痺して危険な状態になります。

僕は、あまり強くないのでアルコールの血中濃度のメーターはぐんぐん上がり、油断するとすぐに酩酊(0.3%)になり、次の日は二日酔いでボロボロです。

しかし、お酒に強い人は、水を飲むようにお酒を飲み、次の日も平気な顔をしています。

彼らの体の中はどうなっているのでしょうか?何が違うのでしょうか?


③アルコールの代謝の仕組みと日本人の代謝能力

アルコールは、肝臓で酵素の働きなどによりアセトアルデヒドに分解され、更に無害な酢酸に分解、最終的に水と炭酸ガスに分解されて体外に排出されます。

アセトアルデヒドは、頭痛や悪心、真っ赤になるなど悪酔いや二日酔いの症状の原因となる物質です。

日本人の約半数弱は、アセトアルデヒドを迅速に酢酸に分解する酵素の活性が弱いか欠けています。

この為、日本人の約4%の方がお酒を全く飲めず、約40%の方が少量でも悪酔いしやすいお酒に弱い体質です。

ちなみに僕は40%の1人、お酒に弱い体質です。皆さまはどの体質ですか?

自分がどの体質か知った上で、お酒を飲むことが健康の為に非常に大切です。

お酒に強い、弱いなどの体質に関する情報はこちら:
https://www.asahibeer.co.jp/csr/tekisei/research/data1.html


④お酒の適量について。一般的な適量を飲んではダメな人とは?

日本でのお酒の1日の適量は、ビール中びん1本、ウイスキーダブル1杯、日
本酒1合程度とされていますが、これはお酒に強いタイプの男性の場合です。

お酒の強さに加え、体格、性別、年齢もお酒の適量に影響を与えます。以下の方は、適量の判断を減らしましょう。

適量の判断を減らす必要がある方

 ・お酒に弱い体質の方(4%の飲めない方は、全く飲まないこと)

 ・小柄な方(血液の量が少なく、血中濃度が上がりやすい)

 ・女性(男性に比べアルコール分解速度が遅い)
   男性の1/2~2/3程度が適量とされています。

 ・高齢者(加齢でアルコールの分解能力が低下)

上記の方は、一般的な適量内の量でも陽気で楽しくなるって来たところでお酒はストップ! 飲みすぎない範囲で楽しく盛り上がりましょう。


⑤お酒が百薬の長と言われる理由

飲み過ぎると健康に悪影響を与えるお酒ですが、百薬の長と言われるように適量であれば健康に良いとされています。

お酒の健康への効果

 ・ストレスの低減        ・善玉コレステロールの増加

 ・心不全での死亡リスク低下   ・虚血性心疾患の予防

 ・脳梗塞のリスク低下      ・2型糖尿病のリスク低下

これらの効果は、死亡率と飲酒量の関係で確認されています。

お酒を適量飲むと死亡率が下がり、適量を超えて飲み過ぎると死亡率が大幅に増加します。グラフの形によりJカーブ効果と呼ばれています。

健康の為にお酒は、個人に応じた適量をたしなむことが大切です。

適量飲酒と健康の関係に関する情報はこちら:
http://www.shinyo.pro/blog/2016/01/post-50.php


⑥怖いお酒の害と身を守る方法とは?

お酒の害は、急性のものと慢性のものに分けられます。

急性の害は、過量のお酒を短時間で飲んだ場合に血中のアルコール濃度が上がり過ぎて起こる急性アルコール中毒や主にアセトアルデヒドによって引き起こされる悪酔い、二日酔いです。

急性アルコール中毒では、意識が混濁し、呼吸麻痺や吐いたものがノドにつまることで死に至るケースもあります。

慢性の害は、適量を超える量のお酒を長く飲み続けた場合に発生します。

慢性の害として、まず思い浮かべるのがアルコールを代謝する肝臓の障害。

肝炎や肝硬変を経て、肝臓がんに発展することもあります。

慢性の害は、肝臓の障害に留まりません。

肝臓以外のほとんど全ての消化器、神経、筋肉、循環器など全身のさまざまな
臓器にも障害を引き起こします。

お酒の飲み過ぎが原因となる身体の病気
http://alcoholic-navi.jp/understand/condition/disability/

これらの害の最大の原因は、アルコールとアセトアルデヒド。共に肝臓で分解
されます。

お酒の害から身を守るには、自分の適量を超えてお酒を飲まないように気を付sけることに加え、肝臓の健康や調子を保つことが非常に重要です。

どうしても飲み過ぎの傾向がある方は、飲む前後に肝臓の機能を強化したり、
肝臓を守るとされる食材や健康食品を取のも良いでしょう。


⑦お酒と健康のウソ・ホント

●お酒を飲みすぎると薄毛になる?

答えはホントです。アルコールを分解する際に、育毛に必要なアミノ酸を消費するため、大量に飲めばそれだけ髪に行く栄養が減ってしまいます。

お酒を大量に飲んでいると熟睡ができないために、髪の成長や補修に必要な成長ホルモンが十分に分泌されません。

二日酔いや悪酔いの原因となるアセトアルデヒドは、薄毛の原因と言われるヒドロテストステロン(DHT)を増加させる働きがあるといわれています。

いくら高い育毛剤を使っても、お酒を飲みすぎていては根本的な薄毛対策になりません。お酒はほどほどにしましょう。

●長年飲み続けるとお酒に強くなる?

答えは、半分ホントです。アルコールを分解する酵素の活性が低い人は、お酒を飲んでいるうちに、だんだんと酒量を上げても酔いにくくなってきます。

これは、飲酒を続けるうちに、肝臓でのアルコールの代謝速度が速くなっていくのが一つの理由ですが、それに加え、脳のアルコールに対する反応のしやすさが変化することも影響しています。

つまり、脳の神経がアルコールに順応し、アルコールの酔いに対する耐性が上がるのです。

但し、アセトアルデヒドを分解する酵素の活性が高い人並みに強くなることはなく、また、飲むのを止めると元に戻ってしまいます。

●お酒を飲むとがんになるリスクが上がる?

答えはホントです。2007年にWHO(世界保健機関)は、飲酒が口腔・咽
頭・喉頭・食道・肝臓・大腸と女性の乳房のがんの原因となると発表しました。

また、米臨床腫瘍学会のがん予防委員会より「飲酒はがんの危険性を高める可能性がある」として、2018年1月にアルコールを飲み過ぎないよう注意を呼び掛ける声明が出されています。

米臨床腫瘍学会の発表はこちら:
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO25669270U8A110C1CR8000/

●未成年者の飲酒は、脳にダメージを与える可能性が高い?

答えはホントです。アルコールによる脳の神経細胞の障害作用は、成人よりも脳が成長中の未成年者のほうが大きい事が分っています。

特に記憶に関わる海馬に対するダメージが大きく、これによって記憶機能が低下する可能性があります。

成人年齢が18歳に引き下げられることが決まっていますが、飲酒可能な年齢が20歳のまま変わらないのはこのためです。

未成年者がお酒を飲んではいけない理由の詳細はこちら:
https://www.nta.go.jp/taxes/sake/miseinen/04.pdf

実は自分自身、20歳前の未成年でこっそりお酒を飲んでいました。

今の自分の記憶力のなさは「年齢のせいではなく、もしかしたら未成年飲酒が関係しているのかも」とこの記事を書きながら不安になりました。

皆さんや、皆さんのお客様のお子さん、お孫さんには、「未成年でお酒を飲むと記憶力が悪くなるよ」と言って、くれぐれも気を付けてあげて下さい

■次回目次━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

  胆汁酸のちょっといい話! ~胆汁酸の働きとその驚くべき有用性~

 ①胆汁酸とは?その種類と主な働き

 ②胆汁酸は肝臓で作られ、再利用される

 ③良い胆汁酸と悪い胆汁酸。悪い胆汁酸は肝臓を傷害する!?

 ④悪い胆汁酸を減らす方法は?

 ⑤胆汁酸のその他の働きも素晴らしい!

 ⑥胆汁酸で糖尿病が治る?最新研究はもっとすごかった!

 関連情報
  ・胆汁酸とウルソデオキシコール酸に関する情報(リンク集)
  ・健康に関するテレビ番組の情報(リンク集)

■お酒と健康に関する情報(リンク集)━━━━━━━━━━━━━━━

①"お酒は百薬の長"はまぼろし?(NHK)リンク:
https://www.nhk.or.jp/beautyscience-blog/2017/109/274987.html

②酔いのメカニズム
http://www.kirin.co.jp/csv/arp/fundamental/mechanism.html

③適正飲酒のすすめリーフレット
http://www.brewers.or.jp/contents/pdf/20161227susume.pdf


■健康に関するテレビ番組の情報(リンク集)━━━━━━━━━━━━━━

月~木曜日 午後8:30~
「きょうの健康」NHKEテレ
http://www.nhk.or.jp/kenko/kenkotoday/

木曜日 午後7:58~
「主治医が見つかる診療所」テレビ東京
http://www.tv-tokyo.co.jp/shujii/

火曜日 午後8:00~
「名医とつながる!たけしの家庭の医学」朝日放送
http://asahi.co.jp/hospital/

毎週水曜日 午後7:30~
「ガッテン」NHK総合テレビ
http://www9.nhk.or.jp/gatten/

毎週日曜日 午前7:00~
「健康カプセル!ゲンキの時間」TBSテレビ 
http://hicbc.com/tv/genki/

【発行者】
第一薬品工業株式会社
〒931-8515 富山県富山市草島15番1
TEL:076-435-0755  FAX:076-435-4900

Posted by fujisan  at 12:43 │Comments(0)

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