2020年05月13日

「フレイル」ってご存知ですか?コロナで巣篭もりの今、要注意!




最近、「フレイル」という言葉を時々耳にしますが、その意味ご存知ですか?

今回は、このフレイルについて、詳しく解説いたします。

■目次━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

 2020年よりフレイル検診導入
          ~フレイル検診を導入した理由とその目的とは?~

 ①フレイルって何?サルコペニアやメタボ、ロコモとの違いは?

 ②フレイルの三つの要素とは?

 ③フレイル検診が必要とされる理由とは?

 ④フレイル検診って具体的に何をするの?

 ⑤おすすめのフレイル発見法、「指輪っかテスト」と「イレブン・チェック」

 ⑥フレイルを予防する3つの方法

 関連情報
  ・フレイルと健康に関する情報(リンク集)
  ・健康に関するテレビ番組の情報(リンク集)


■ 2020年よりフレイル検診導入
      ~フレイル検診を導入した理由とその目的とは?~━━━━━━

①フレイルって何?メタボやロコモとの違いは?

本年2020年4月から75歳以上の高齢者を対象に、フレイル検診が導入さ
れました。

ところでフレイルとは何か?

同じようなカタカナ表記の健康用語が、以下の4つもあります。

 「フレイル」
 「サルコペニア」
 「ロコモ」 (ロコモティブシンドローム)
 「メタボ」 (メタボリックシンドローム)

この4つの用語の中に1つだけ仲間外れがあるのをご存じでしょうか?

それぞれの用語を、簡単に説明すると以下のようになります。

「フレイル(虚弱)」:心身が老い衰えた状態
「サルコペニア」  :筋肉の衰え
「ロコモ」     :運動器が衰えて移動機能が低下した状態
「メタボ」     :内臓脂肪が増えて生活習慣病に近づいた状態

正解は、「メタボ」。メタボ以外は、何らかの衰えです。

なお、心身が老い衰えた状態(フレイル)は、筋肉の衰え(サルコペニア)や
運動器が衰えて移動機能が低下した状態(ロコモ)を要素として含んでおり、
サルコペニアやロコモが進行すると、フレイルも進行していきます。


②フレイルの三要素とは?

フレイルは、日本語に訳すと虚弱、その意味は前記のように「心身が老い衰え
た状態」です。

以下の3つの要素があり、それぞれが影響を与えあってフレイルが進行します。

フレイルの3要素

 「身体」    : 運動機能など体の機能の状態
 「こころ/認知」: うつや認知症の有無
 「社会性」   : 他人とのふれあいの状況

皆さまのお客様で一番健康だと思う高齢者を思い浮かべてください。

おそらく、体が元気で、陽気で明るく、パークゴルフなどの趣味を仲間と楽し
んでいらっしゃるような方を思い浮かべられるのではないでしょうか。

3つの要素すべてにおいて衰えの無い方だと思います。

このことから元気で長生きするには、フレイルにならないことが重要であるこ
とが理解できると思います。

しかし、なぜ今、フレイル検診なのでしょうか?


③フレイル検診が必要とされる理由とは?

その理由は、以下の3つのデータから理解できます。

(1)高齢者の自立度の変化パターン(下のリンク先2ページ目の表を参照)

(1)と(2)のデータはこちら:
http://dl.med.or.jp/dl-med/jma/nichii/zaitaku/kaigo280522/20160522_3.pdf

70代以降、徐々に自立度が低下して要介護になって死に至る方(赤線)が、
男性約70%、女性約88%と非常に多く、その自立度の低下にフレイルが大
きく関係していると考えられていること。

(2)年齢毎の要介護に至った原因(上のリンク先3ページ目の上の表を参照)

40歳から70歳までは、脳血管疾患など生活習慣病関連の要介護原因が多い。
(3ページ上の表の左上の赤丸)

一方、75歳以降では、認知症、衰弱、関節疾患、骨折・転倒などフレイルに
関係した要介護原因が年齢の上昇に伴い大きく増加していくこと。(3ページ
上の表の右下の赤丸)

以上の2つのデータから、75歳以上の高齢者が要介護にならずに元気で長生
きするためには、フレイルの予防が非常に重要であることが分かります。

(3)フレイル患者の介護費用

国立長寿研究所研究センターの研究班により行われたフレイルの高齢者の追跡
調査により、介護が必要になった際にかかる費用がフレイルでない人に比べて
10.2倍に達するとの分析結果が報告されています。

2018年度の介護保険による費用は10兆円を超えました。

医療・介護費用の削減が課題になっている中で、個人的にも社会的にもフレイ
ルの予防が非常に重要であることが分かります。


④フレイル検診って具体的に何をするの?私たちに使いこなせる?

フレイル検診では、質問票を使用してその回答結果からフレイルにならないた
めの指導や助言が行われます。

使いこなすには、質問の意図と回答の意味を理解して、回答に応じて指導や助
言を行う必要があり、かなりの勉強が必要です。

少し難易度が高いと思いますが、興味がある方は、以下のリンクよりその内容
をご確認ください。

質問票の解説と留意事項はこちら(質問票の内容は2ページを、質問の解説・
ポイントは6~35ページをご確認下さい。):
https://www.mhlw.go.jp/content/12401000/000534916.pdf


⑤おすすめのフレイル発見法、「指輪っかテスト」と「イレブン・チェック」

フレイル検診の質問票は、使いこなすのに難易度が高いとご紹介しました。

比較的簡単にフレイルやそのリスクを発見できる方法が、「指輪っかテスト」
と「イレブン・チェック」です。

指輪っかテストは、両手の指を使ってふくらはぎの太さを調べるテストで、ふ
くらはぎが細いほどフレイルのリスクが高いと判断されます。

イレブン・チェックは、栄養と運動、社会参加に関する11個の質問からフレ
イルのリスクを判断するものです。

どちらも比較的簡単に行えるので、ぜひ、お客様に実施して頂いて下さい。

指輪っかテストとイレブン・チェックの詳細はこちら(2ページ目):
https://www.tokyo.med.or.jp/wp-content/uploads/medical_welfare/application/pdf/acd1d84742f2e1487b8218b5c06b78e6.pdf


■次回目次━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

 フレイル予防で死亡率が半分に!? ~今日すぐ始めたいフレイル対策~          

 ①フレイルを予防する3つの方法

 ②フレイル予防の効果は?なんと死亡率が半分になったとの報告が!

 ③おすすめのフレイル予防「ふじ33プログラム」

 関連情報
  ・フレイルに関する情報(リンク集)
  ・健康に関するテレビ番組の情報(リンク集)
 

■フレイルと健康に関する情報(リンク集)━━━━━━━━━━━━━━━

①フレイル予防(東京都医師会HP):
https://www.tokyo.med.or.jp/citizen/frailty

②健康長寿教室テキスト(国立研究開発法人国立長寿医療研究センター):
https://www.ncgg.go.jp/cgss/department/flail/documents/20160630kennkoutyoujutext.pdf


■健康に関するテレビ番組の情報(リンク集)━━━━━━━━━━━━━━

月~木曜日 午後8:30~
「きょうの健康」NHKEテレ
https://www.nhk.jp/p/kyonokenko/ts/83KL2X1J32/

木曜 午後7:58~
「主治医が見つかる診療所」テレビ東京
http://www.tv-tokyo.co.jp/shujii/

毎週水曜日 午後7:30~
「ガッテン」NHK総合テレビ
http://www9.nhk.or.jp/gatten/

毎週日曜日 午前7:00~
「健康カプセル!ゲンキの時間」TBSテレビ 
http://hicbc.com/tv/

作成者:第一薬品工業お客様相談室 荒川良博

Posted by fujisan  at 07:48 │Comments(0)

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